既存の庁舎が築後35年を経過し老朽化が著しく、また事務空間が手狭になったことから、庁舎の設計コンペが行われた。
全面的建て替えをするほど十分な予算が確保できない状況だったので、既存の建物は残して改修、7.3m離れた場所に新しい庁舎を増築し、新旧の庁舎の間に屋根を架けてアトリウムを設けるという提案をした。
増築部分とアトリウムは既存部分と構造的に完全に切り離されているため、将来既存部分に構造上の限界がきた場合には既存部分のみ建て替えることが可能である。
通常の増改築では、新旧の建物を構造上一体化してしまいがいだが、それを分離することで大きなメリットが生まれる。今回、既存部分はまだ十分利用できると判断して改修したが、将来いよいよ寿命が尽きた時には、そこだけを建て替えればよい。増築部分の限界がきたら、またそこだけ建て替えるという具合に交互に建て替えていけば、半分ずつの支出で済む。予算に合わせた事業運営が可能という長期的メリットがある。
今回のリファインでは、各課がどこにあるのか一目でわかるアトリウム(町民ホール)や、高齢者・身障者の利用を考えたエレベータなど、旧庁舎で必要とされていた新たな機能を盛り込むことができた。