本計画は、診療所併用住宅(昭和44年に新築、その後昭和50年に増築)を2世帯住宅へ用
途変更、及び増築を行い耐震補強を行うリファイニング計画です。当建物は老朽化も進行し
ていることから、オーナーは、建替も含めて検討した結果、既存不適格部分を維持ができ、
コスト削減、環境負荷低減につながり、バリアフリー化も可能となるリファイニング建築の
手法を選択されました。計画内容としては、1階ピロティを室内化、2、3階バルコニーの
新設、内装外装の一新、床段差解消・エレベータ新設によるバリアフリー化、現行法令へ適
合させるための各種工事等を行います。耐震補強計画で今回の大きな特徴は既存建物2棟の
一体化です。その他柱の新設、既存梁の鉄骨補強、袖壁補強により耐震指標Is値を0.6以上を
確保します。行政対応としては本建物は検査済証が存在せず、建設時以降に施行された昭和
50年の第二種高度地区指定による高度斜線制限、昭和52年の日影規制について既存不適
格となっておりましたので、平成26年7月に施行された「検査済証のない建築物に係る指
定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に従い、建築基
準法適合状況報告、12条5項報告、許可申請、建築確認申請を行いました。建物全体にて
11月末日に検査済証を取得予定です。
以下、物件概要
所在地 東京都多摩市一ノ宮3-7-5
用 途 一戸建ての住宅
設計者 株式会社青木茂建築工房(建築)
有限会社金箱構造設計事務所(構造)
施工者 日本建設株式会社
竣 工 2015年11月19日
構 造 RC造
階 数 地上4階建
面 積 延床303.34m2
以上