鉄骨鉄筋コンクリート造 一部、鉄筋コンクリート造 / 地上7階 地下1階 塔屋1階
インスタイルレジデンス本駒込は東京都文京区本駒込の動坂交差点に建つ地上7階、地下1階の賃貸共同住宅である。本計画は、昭和51年に建設された築48年の旧耐震設計基準の共同住宅のリファイニング建築である。当時は日影規制が施行されておらず、本件は日影規制に関して既存不適格である。そのため、建て替えを行うと既存と同じ規模の建物を建てることは不可能であった。そして、建設費高騰なども考慮すると建て替えよりも、現状の規模で構造躯体を再利用することによりコストダウンが図れるリファイニング建築が採用された。既存建物は検査済証のある建物であったが、階段の作り替えによる大規模の修繕に関する確認申請を行い、改めて遵法性を示した。また、耐震改修に関しては耐震評定を取得することで第三者の評価を得ている。以上の手続きを得て耐震性の不安、老朽化という問題に対して耐震改修、設備更新、内外装の一新をすることで、建物の長寿命化を図る計画を実施した。
外装デザイン:建物の高さに対する制限が課せられる中でリファイニングにより既存の建物ボリュームを維持し何十年先もこの風景を守っていくことを考えた。坂の上の角地に位置する本建物は、周囲の建物に比べ空を広く感じられた。7色のグラデーションパネルによりファサードと空が溶け合うように設計した。
エントランス:既存エントランスの狭さを内部と外部に繋がりをもたせることで改善した。エントランスを左側のタイル壁と間接照明 (光壁) で仕上げることで白いトンネルのような空間が入居者を迎える。階段を上がるシークエンスは、門型の庇と白い内部空間が創り出すコントラストにより、視覚的な引き立てと同時に入り口として存在感を強調する。
共用廊下:アルコーブや玄関周りを演出し、門型であったエントランスのイメージを踏襲した。
住戸内:賃貸マーケットに向けて、階ごとに色分けしバリエーションをもたせた。奇数階(1・3・5・7F)はモノトーンとし無彩色でまとめて仕上げ、偶数階(2・4・6F)はウォームトーンとし、温かみを持たせる印象に仕上げた。