鉄筋コンクリート造 地上6階塔屋1階
当建物は昭和41年に新築された、築52年の検査済証のない共同住宅兼店舗を耐震補強と同時に大規模の修繕で検査済証を取得した計画である。建替えた場合、現行法の日影規制・高度地区・容積率制限などにより、既存建物の大きさや形状および面積が維持できないことから、建築主はリファイニングを選択した。
既存建物は経年劣化が進行していた。4階から6階にかけての屋内の梁に対して、中性化対策として、亜硝酸リチウムを圧入するために、リハビリカプセル工法という土木技術を建築に採用した。
当建物は検査済証がない上に、既存エレベーターが当初の確認図書に記載がなく、完了検査までにエレベーターを現行法に適合させる前提で確認申請の提出が承認された。建築基準法による確認申請をおこなうと、既存不適格である共用階段を屋外避難階段に是正する必要があった。しかしながら、共用階段を屋内避難階段に作り替えることは困難なため、耐震改修促進法による計画の認定にともなう確認申請を行い、検査済証を取得した。
真南向きで、かつ、環状7号線に面していることを考慮し、外装には特注有孔折板を採用することで、遮光性や遮音性に配慮しつつ、意匠性の向上を図った。
緊急輸送道路沿いの建物として耐震助成金を取得しており、引き渡し後、三井不動産レジデンシャルリースがサブリースしている。