鉄筋コンクリート造 地上5階
既存建物は昭和40年(1965年)頃に工場兼寄宿舎として建設されたが、計画着手時は1階が倉庫、2階以上が共同住宅として利用されていた。老朽化、耐震性への不安等の問題から、建替えと再生を比較し、容積率や高さ制限に関して既存不適格である既存建物を再生することが事業的には有利であるため、リファイニングする事になった。事業計画の段階から三井不動産と共同することとなり、賃貸物件としての競争力の確保の他、耐震性の確保、確認申請及び検査済証取得が要件となった。図面や構造計算書等の資料がないため、調査から着手した。実測により意匠図を復元し、建設当時の法規と照らし合わせると建蔽率や採光、道路斜線等の基準法違反や窓先空地等の東京都安全条例の違反がある事が判明した。そのため、既存のフレームを残し、壁や床を部分的に解体し、建蔽率、採光、道路斜線制限、窓先空地等の各法令に適合させる計画とした。主要構造部である界壁の過半以上を更新する計画とし、大規模な模様替え関する確認申請を行った。構造に関しては、躯体の実測の他、躯体の斫り調査や鉄筋探査により柱や梁の鉄筋の内容を調査し構造図を復元した。そして耐震診断・補強設計を行い、耐震評定を取得した。工事完了後は完了検査済証を取得した。引渡後は三井不動産レジデンシャルリースがサブリースしている。